チーム・バチスタの栄光 : Book

チーム・バチスタの栄光
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Author : 海堂 尊
価格(税込): 1,680円
在庫あり。 : 1,500円以上は、送料無料
SalesRank : 58782
AverageRating : : 4.0
Publisher : 宝島社 ( 2006-01 )
Studio : 宝島社
単行本 : 375 pages H:110 x L:756 x W:535
宝島社
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手術室という密室で起こった死は、はたして医療事故なのか、殺人なのか。 : 2009-06-12
 全3部からなる作品であり、それぞれが大きく異なる顔を見せる秀作。

 1部はまじめな医療物。拡張型心筋症に有効な治療法は心臓移植。しかし日本では、保険対象外であり、ドナーが少なく、そもそも15歳未満の子供への移植は法律で認められていない。そこで、心臓移植に代わる拡張型心筋症の治療方法として、バチスタ手術が注目されている。この手術は拡張した心臓の一部(変性部位)を切り取ってしまうという大胆な手術法であり、そのため高度な技術が必要である。この手術を26例連続で成功したのが、桐生率いるチーム・バチスタであった。しかし、27例目の術死をかわきりに、29、30、31例と術死が頻発する。このことに懸念を持った高階病院長が、万年講師の田口に術死の原因究明の調査を依頼するのであった。。という感じ。国内の医療問題への言及やトレンドである手術方法、大学病院の文化などをおりまぜ、なかなかのまじめっぷり。「はーちみつ・きんかん・のどーあめ」のリフレインなど、田口の一言がたまに笑いを誘う程度である。

 一転、2部になると心理戦モノへすさまじい変貌振り。2部から登場する白鳥の存在が、この作品を単なる医療物に終わらせない。歯に衣着せぬ物言いといい、その生い立ちや人物像といい、なにからなにまで規格外。強烈なキャラクターである。「砂漠」の西嶋といい勝負である。それでいて、応用心理学、アクティブ・フェーズ、パッシヴ・フェーズ、スネイル・トーク、セルフ・ポートレートなどの専門用語が、おいらの中の無駄な知識欲をそそる。

 3部では、医者とは、命とは、そして人間とは、というテーマへのある種の答えも垣間見え、締めとしてふさわしい終わり方であった。

 この作品は、「このミステリーがすごい!大賞」の第4回大賞作品である。そう、実はこの作品はミステリでもある。手術室という密室で起こった死は、はたして医療事故なのか、殺人なのか。ミステリとしても十分おもしろい作品だ。そして、ぜひ、白鳥の部下である姫宮(あだ名が氷姫)が主人公のスピンオフも読んでみたいものである。

最高のエンターテイメント。まず、読め! : 2009-05-15
ミステリとして最高峰の出来なのはもちろん、細かい描写がしっかりしていて、極上のエンターテイメントに仕上っている。

作者は現役の医者ということで、手術の描写や医療関係の表現が緻密なのは当然としても、容疑者の割り出しに利用されるロジックが秀逸。対象に接する際の態度をアクティブフェーズとパッシブフェーズの2つに分けて、ディフェンシブトークとオフェンシブヒアリングを組み合わせ(役割分担)することで相手の本質を分析してゆく。ときに攻め込み、あるいはさっと躱す。

また、文庫本で上下で読んだ私のような人間は、本当にラッキー。
上巻で主人公だと思われていた、病院でなんとなくうまく立ち回りながらも事件に巻き込まれた愛すべき隠れ熱血漢の田口はなんと、賢いワトスン役だった!下巻で投入される論理モンスターのぶっとんだ天才ホームズ・白鳥はあっという間に主役の座をかっさらい、まさに火の鳥のようにあそこにもここにも火の手があがる。そのパワーたるやすさまじい。切って、ちぎって、投げる投げる投げる!!!

あーもう、ここで解説なんか読んでる暇があったら、さぁ財布を持って本屋へ行こう。
日本人でよかった、今の時代に生まれてよかった!作者の文章をそのまま生で読めて、時代を感じられる幸福。

うぉおい神様、海堂サマ、このサイコーの本を生んでくれて、ありがとう!




・・・・読め、そうしてこの世界に酔え。


期待しすぎたようです : 2009-04-30
続きが気になってページをめくる手が止まらない、というような高揚感は無く
最後のほうはほとんど義務感で読んでいました。
文章があまり流暢でなく、読みづらかったです。
主要な人物が途中で(文庫でいうと下巻から)突然現れるのが不気味でした。

同じお医者さんの書いた医療ものであれば、久坂部羊氏の書いた小説のほうが
エンタテイメントとして面白いと思います。

新鮮 : 2009-02-28
作者自身、医者ということもあり、これまでなかった手術室での殺人という
設定がおもしろかったです。
まさに医者ならでは。
実は、医者の中ではこの可能性は周知のこと?っと若干深読みしてしまいます。

本の中に記載されているオートプシーイメージング。
ぜひ普及するとよいと思いました。

難点をいえば、白鳥さん推奨の「アクティヴ・フェーズ」。
今一よくわかりませんでした。それともそれが狙い?
もう少しやさしく解説してくれるとよかったと思います。


中盤の展開は絶妙 : 2009-02-25
中盤の展開は本当に面白かった。
少なくともその一点においては、多くの人が楽しめるのではないだろうか。

全体の半分に差し掛かるまでは、とても静かな雰囲気。
そして、恐らくこの雰囲気のまま淡々と話が進むのだなと覚悟を決めたころ、突然空気を一変させる人物が登場する。

パッシブとアクティブという対になるキーワードが物語の中盤の絶妙のタイミングで導入され、静かだった舞台は俄かに騒然とし始め、そこから最後まで一気読みをせざるを得なかった。
受動と能動というイメージは、物語に骨太のリズムを与えると同時に、二人の主人公の明確なキャラクタを設定することにも貢献し、印象深い読後感を残すことに成功していると思う。

文章は基本的には簡潔。その一方でこじ付けがましい比喩表現もある。
味わいに乏しく、好みを言わせて貰えば好きではない。
ただ、この手のエンタメ小説においては、無駄な修飾はかえって邪魔になることもあるだろう。
だから、その一点において直ちに作品の価値が下がるとは思わない。
オモロい話を書いてナンボ、である。


ストーリで残念なのことが二点。
登場人物たちに過去の秘密や犯行動機を語らせる場面など、終盤がやや説明的に過ぎる感があり興ざめしてしまったこと。
それと、犯行動機が推理物としては良くありがちな、単なる定型にしか見えたかったこと。

著者の提唱する死亡時画像処理診断(Ai)に関する簡単な知識が得られたことは、良いオマケだった。


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